鳩山首相が、午前中の衆院予算委員会で、「朝三暮四の意味を知っているか」と尋ねられ、「よく知ってます」と前置きした上で「朝令暮改」の意味を説明、とんだ赤っ恥をかいた・・・というニュースが昼休みには早速流れていた。これは、自民党の茂木幹事長代理が、麻生前政権が昨年4月に成立させた平成21年度第1次補正予算の一部を鳩山政権が執行停止した一方で、第2次補正予算案に停止した事業を盛り込んだと批判する狙いで、朝三暮四の意味をただしたもの。ところが、首相は「知っている。朝決めたことと夜決めたことがすぐ変わるという意味で、あっさりと物事を変えてしまうことだ」と自信満々に語ったと言う。
茂木氏が得意気に正すまでもなく、朝三暮四とは、「朝と夕で数を変えることでごまかす」ということ。「猿にトチの実を朝に3つ、暮れに4つ与えると言ったら文句を言ったので、じゃあ朝に4つ、暮れに3つやると言ったら喜んだ」という中国の故事に習ったもの。
「麻生さんは漢字が読めなかったが、鳩山さんは諺も知らないのか!」と、自民党は嬉々として揚げ足を撮ったようだが、これは麻生さんの漢字間違いとはちょっと意味が違う。鳩山さんには、自分のやっていることはまさに「朝令暮改」であるという後ろめたさがあるので、似たような故事成語で責められたときに、思わずその意味を自分の態度の説明として、ある意味開き直って喋ってしまったのだろう。自分が突っ込まれるならそこだと思っているわけだ。そりゃあ、どれだけ鈍感でも思うわなあ。
だから厳密に言うと、「朝三暮四」というのとはちょっとニュアンスは違うのだ。鳩山氏の勘違いを責め、「似ているが違う」とつっこむ茂木氏に。私がツッコんでおこう。
朝三暮四とは、「目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと。また、うまい言葉や方法で人をだますこと」の両面の意味がある。つまり、飼い主サイドに立てば、文句を言う猿を誤魔化すための狡猾な交渉だったわけだし、そこには一貫性画ある。残念ながら鳩山氏にはこの知恵も計算もない。誰が見てももっと苦し紛れの結果なのだ。又、この場面でこの諺を出すのは、「国民を騙される猿呼ばわりしている」わけで、意味を取り違えた鳩山氏よりも、むしろわざわざこの諺を引用した茂木氏の良識と知性を問いたいところだ。
勿論、マスコミの騒ぎどころもピントがずれている。
そう言えば、去年の今頃も同じ参院予算委員会の質問で同じようなことをやっていた。当時の民主党の石井副代表が麻生さんに「漢字テスト」をして物議をかもしていたのをご記憶だろうか。石井氏は、麻生さんが月刊誌に寄せたとされる手記からわざわざ12の漢字や熟語を抜粋して「あなたの漢字力からして誰か(別の人間)が書いたと思わざるを得ない」などとネチネチ責めたのである。何という根性悪だろう。
この後、苦情が殺到し、結果的には揚げ足をとった民主党のイメージダウンになった。「国会でまともなことを話せ」「国会をバラエティー番組か」という「2ちゃんねる」にも書き込みの方がむしろマトモだったくらいだ。
1年たっての仕返しが、今日の諺事件。まさに「目くそ鼻くそを笑う」である。
相も変わらず、国会で何をやっているのか。国情が危機に瀕しているのに、クイズやお笑いをやってもらっては困る。自民党も、民主党も、いくら何でももうちょっとしっかりしてもらわないと・・・・
それにしても、どっちもどっちですね。民主党政権になってからではなく、以前からの自民党(政権)も似た様な感じであるが・・・
返信削除この国はいったいどうなってしまうのでしょうか。
返信削除日本、大好きなんですが・・・・