2009/11/14

卑弥呼もビックリ

邪馬台国がどこにあったのか?

新井白石や本居宣長などの国学者の論考に始まり、平成の世の今日に至っても、大いに盛り上がる話題だが、遷都1300年だの邪馬台国など、昔のこと以外に自慢の種がない奈良県人としては複雑な感じがする。例の新しい遺跡が発見された巻向は、カナン教会のすぐとなり。最寄り駅JR柳本のひとつ手前。まさに地元中の地元である。仕事で巻向小学校にも行ったことがあるし、知人も多い。

いずれにしても、あれだけの建物が実際そこに建てられていたことは事実で、それが卑弥呼の神殿かどうかは別として、それ自体が面白い。オリンピックの誘致みたいにハズレ都市が肩を落とすこともない。「邪馬台国じゃないその巨大勢力はいったい何だったんだ?」という別の興味が生まれる。

それにしても、あれだけ掘って、毎年毎年まだあちこちからいろんなものが出てくる奈良っていうのは実に面白いところだとしみじみ。

我々はみんな歴史の積み重ねの上に住んでいるわけで、歴史からもう少し有益な教訓を得る必要を感じる。昨日は天皇在位20年のイベントもあったようで、象徴天皇としてのあり方を真摯に追求してきたという挨拶と姿に、ちょっと痛々しいものを感じたりしたが、この国のさままざなかたち、国防のあり方、教育制度、これからの経済や福祉に、不安と怒りは尽きない。

奈良県も多少の誇りと知恵があるなら、アホみたいに「遷都1300年」なんてやってないで、もう少しイキな税金の使い方やこれからの奈良のあり方を考えて欲しいものである。

真贋定かではないのに、知らぬ間に「卑弥呼の里・桜井市」なんていう看板まで立っている。こんな子どもじみた地域エゴに血税を使う感覚には大いに違和感を覚えるこの頃である。

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