2011/02/12

職人芸


久々にフルーティ菅野氏から連絡があった。ある結婚式の為に作曲を頼まれ、メロディを作ったがコードをつけて欲しいという依頼。それくらいなら何でもないとふたつ返事。ところが会ってみると、何と曲は未完成。それもそのはず、歌詞を見せてもらうと、意味不明のラップみたいな歌詞のところどころにNGワードが散りばめられた散文だ。事情を聞いてみると、これにそのまま忠実に音符をつけていこうとしていたから行き詰まったようだ。私に頼めば何とかなると思っていたようだが、果たして何とかなるのだろうか。 私も自分の職人的技量に挑戦する気持ちが湧いて面白くなってきた。

フレーズの素材は、しっかり菅野氏が作ってくれていたので、部品はしっかりしているし、まとまりのつかない全体を最終的にはこうしたいという理想もだいたいわかった。主になるテーマのメロディははっきりしているので、まず、それをフルートで吹いてもらって、コード展開を考える。そして、ことばを整理する。元の詩の思いをくみ取りつつ、本当に言いたかったことをよりすっきりしたことばに置き換えて文字数を整える。そして、楽曲としての構成を組み直す。ブリッジからサビへの展開が思ったよりうまくはまったので見通しがたった。そして、それぞれのことばやメロディが一番生きる譜割りを見つけて出来上がり・・のはずだった。

ところが、まだ続きがあった。最初はコードさえわかれば、当日ピアノの女性が伴奏する予定だったが、その方は式には出席しないと言うのだ。それで、出来れば音源も作ってほしいとの展開に。おいおい待てよ。ここで頼りになる助っ人Uribossa氏登場。本当は遊びに来ただけだったのだが、ギター2台のでのアレンジで音源製作という展開に。Uribossa氏は到着するなり、セカンドギターの転調作業に取りかかる。コード付けも、楽曲の把握もアッという間。さすが、わが相方。依頼者に曲を伝えるために、作曲者のフルーティ菅野氏が自らヴォーカル。甘いマスクに、甘いヴォイス。この編成もなかなかいいかも・・・・と思いつつ、楽しく録音した。 3テイクで完成。まあ、こんなもんかな。

これまでにも、さまざまな依頼を受けてニーズに合わせて職人的に作曲や編曲をしてきたが、今回はちょっと特殊なケースだった。

「これは喜んでくれるんとちゃう?」というUribossa氏のコメントにホッとした。ホンマにお手伝いありがとうございました。

つい最近は、性教育の為にGolden Ball Bluesというのも作ったが、こういうイレギュラーなものも含むと相当いろんなものを作ってきたなあと思う。

いっそのこと、結婚式に特化して「思い出の一曲を作りませんか?お手伝いします」というようなサイトでも立ち上げるかと話して盛り上がった。今日の3人の職人芸を会わせれば、予想されるかなりのニーズには応えられそうだ。

4 件のコメント:

  1. おっさんたちが楽しそうですね。
    SIGNでもおっさんは楽しみましたよ。

    でも、結婚式の1曲は、ホンマいけるんじゃないですか…^^

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  2. 一見面倒臭そうな事が面白い事になっていくのは
    興味深いポイントです。

    あまりにも簡単な事より、ちょっと「えー」って事がある方がやり終えた時の充実感もあり、
    普段と違う所を使えるのでボケーっとしているより
    何故か休める感じ??

    確かにこれからは大量に作って大量に配信で無く
    カスタムする事がいいかもしれませんね。
    そんな事より結果楽しければそれでいいですね。

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  3. 銀じ郎さん、どうも。

    今日は写真茶話会でしたね。今年は私も作品集を作りますよ。

    ウエディングソングも、SIGNの家具みたいに作れるといいなと思います。

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  4. 電気屋さん

    おっしゃるとおり、楽しく過ごせると変な疲れは残りませんね。

    確かにオーダーメイド、カスタムメイドがいいと思いますが、景気の悪さも反映するのも悲しいところです。

    音楽に限らず、身の回りのあれこれをデザインするのは好きです。

    教えるより作る方がずっと楽しいなあ。

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