2011/02/19

口はひとつ、耳はふたつ



教えることはたやすい。自分の知識や技術などの専門性をひけらかせばすむ。間違いや失敗を指摘するのはもっと簡単。これもマニュアルさえあれば素人でもできる。

しかし、話をきちんと聴くことはそれほど楽ではない。特に話し手が語彙や経験が乏しい子どもであればなおのこと。さらに、その子が興奮していたり、落ち込んでいたり、複雑な人間関係のしがらみの中で苦しんでいたりしたら、正確な情報を得ることは難しい。発達障害などで認知や表現力に偏りやつまずきがあればさらにややこしい。

それらを正しく聴き取り、正解を押しつけずに、問題点を整理し、子どもたちが自らの力と意思でそこへ辿り着けるような手がかりを与えることが望まれる。

まずは、時間をかけて丁寧に話を聴くことから始まる。口はひとつ耳はふたつ。せめて喋る2倍は聴きなさいという創造主のメッセージである。耳をふさいで大声で自分のことばかり叫ぶ者が多いのは嘆かわしい。

写真は隣の教室前の廊下。担任は若い女の先生。長身の彼女はいつもからだを小さくして子どもの話をよく聴いている。こういう姿をみると、ついつい嬉しくなる。もめていた子どもたちも素直に心を開き始める。

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