2010/02/23

思いやり

「思いやり」ということばにマイナスのイメージを持つ人は少ないだろう。しかし、「思いやり」というのはエゴイズムの変形であるという見方も成り立つ。「情けは人のためならず」という諺のように、「思いやり」は自分を防衛し、露骨に人に気づかれずに自分に利益を誘導するための保険なのだ。それぞれに「思いやり」を持ち合うことで相互扶助する。

「Saltはまたひねくれたことを言うなあ」と思われるだろうが、「思いやり予算」ということばの意味を考えるなら、「思いやり」の中に潜むエゴイズムが浮かび上がる。鬼畜生よばわりしていたアメリカの前にひざまずいて、その薄汚れた靴を嘗めているのが日本の示す「思いやり」だ。

何という御都合主義、何というエゴイズムであろう。それでも、そうすることが少しだけ得なのだ。

そんなわけで、私は人の吹聴する「思いやり」をまず疑ってかかるのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿