2011/01/28

わが町「天理」のタイガーマスク


漫画「タイガーマスク」の主人公の名前などで全国各地の福祉施設に寄付する動きが群馬県で始まって以来、1か月。奈良県内でも昨年12月30日以降、十数件の贈り物が県に報告されている。そんな中、天理市の児童養護施設「天理養徳院」に、絵本や色鉛筆、お菓子などが入った紙袋が置かれ、中に1枚の手紙が添えられているのを施設で暮らす5歳の男児が見つけた。

天理養徳院(うめ・さくら)様 この部屋にたくさんの小さい子どもたちがいると聞いてやってまいりました。テレビや新聞などを見て私もやってみたい、役に立ちたいと思って本やおかし、遊び道具を持ってきました。どうか喜んでいただければと思っています。 伊達直人4人 伊達直子1人

この手紙が見つかったのは20日。ディズニーのキャラクターの便せんに鉛筆でこう書いてあった。

同院では18歳までの71人が、いくつかの棟に分かれて共同生活を送っている。「うめ・さくら」は6歳までの16人が暮らす幼児棟のことだ。お菓子は今年になって子供たちに配ったものばかり。手紙を見た中島道治院長(62)は「これは院内のタイガーマスクや」とすぐに思ったという。

実はこの4日前の16日、中学2年の女子生徒が同院を訪れ、匿名でお年玉袋に入った4000円などを寄付していた。中島院長は「このことに上級生が刺激を受け、下級生のために伊達直人を演じたのでしょう。自分のことでも精いっぱいのはずの子供たちなのに、すごい成長を遂げてくれた」と目を潤ませた。

同院では21日早朝にも、幼児棟でカラーペンや筆箱などが入ったビニール袋が見つかった。今度は一つずつ新聞紙で丁寧に包装され、「伊達直人2人 伊達直子4人」の署名があった。ある女の子が中島院長に教えた。「先生、わたし、誰がタイガーマスクか知っている。また明日も誰かがやるって聞いたよ」

中島院長は意を決して全員に説いた。「先生は皆がこういうことをしてくれてうれしい。だけど、もうこの中でやるのはやめにしよう。今度はみんなが社会で自分の気持ちや思いを人のために渡してほしい」。子供たちの顔を眺めると、みんなが一様に穏やかな笑顔を浮かべていたという。(須藤祐介)

(2011年1月27日 読売新聞)


昨年、私は新人の指導の為に市内4校を徘徊していたが、金曜日はこの「養徳院」の子どもたちとも付き合ってきたので、この記事は私にとっても大きな御褒美というか、本当に感慨深いものがある。

また、現院長の中島先生は、私の局長時代の研究会の事務局の業務で、いろいろお世話になった方でもある。

世間は負の連鎖の悲しい出来事ばかりだが、こんな子どもたちのやさしさには心がふるえる。

今週はいろいろあって、学校を出るのが連日10時前後という厳しさだったので、この記事は心に染みたなあ。

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