2010/03/12

ケーキのおいしい食べ方

卒業を前に、大人はなぜか子どもたちに夢を語らせる。そして夢はなぜか職業と結びつく。

高校を卒業してもなお、何の具体的な夢も持てなかった私は、デタラメであってもとりあえず自分のことばで夢を語る小学生がある意味凄いなと思う。何で夢がいとも簡単に職業に結びつくのだろう?

あの頃に未来に生きる今の私がそれを果たせているのかどうかさえ、夢を語ることを避けてきた私にはわからない。

式の練習を聴いていると、子どもの夢の中に「有名な○○になって・・・」というフレーズがけっこう出て来るのが気になった。子どもながらに「有名っていいことだ」と思ってるんだなと改めて驚いた。

「無名でいいから・・・」という夢など確かに成り立たない。でも、「無名」と言っても名前がないわけじゃないないか。

そう言えば、私はバーチャルでもリアルでもSaltと名乗っている。ネット上のHNだけではない。まるで、主からいただいたように、本名以上にしっくりくる。そんないい名前は有るのだけれど大して「有名」ではない。でも、全く知られていないわけでもない。何とも微妙である。

不特定多数の人に一方的に知られることは、あまり愉快なことではない。「有名になること」など私にとって少しもありがたいことではないのだ。主がご存じであればそれで十分ではないか。ずっとそう思っている。

私はどうやら「有名であること」自体がどこか偽物である感じているらしい。「有名であること」に嘘っぽさが漂うのはなぜだろう。それは、大勢の人が一人の人に知られることはあっても、一人の人が大勢の人を知ることは出来ないからではないだろうか。人は一生の間にそんなに大勢の人には出逢えない。挨拶程度や一過性の関係なら当たり障り無く過ぎていくだろうが、一定以上の双方向コミュニケーションを維持するためには相当なエネルギーが必要だ。

だから、有名な人の発信はどうしても一方的な垂れ流しになってしまう。それは悪意ではなく量的な限界を超えているからだ。

長くいろんなことをやっていると様々な出逢いもある。私はおせっかいを焼くのも焼かれるのも嫌いだし、全く八方美人ではないので、「Saltはとんでもなく変な奴だ」と了解した人としかつながりを持たない。

近づいて来られてもうっとうしい人からは付いて来れないくらいの早足で逃げるようにしているし、固定したイメージを持たれるのが嫌なのではぐらかす。それがちょうどいいやっかい払いになって、大体いつも自分の身の丈にあったサイズの人間関係を維持できていると思う。

分母が大きくなると当然のことながら、関係は薄くなる。ケーキを焼いたら、食べるのにちょうどいい人数というのがある。分母はそんなもんでいいのだ。ケーキは家族や気心の知れた仲間と食べるから旨い。

4 件のコメント:

  1. 量的な限界を超える…まさしく「自分の受ける分を受け」と思います。私からすれば、Salt氏の分母はかなりの分母に思えますが^^ 

    有名になる、ってすごい魔力なんでしょうね。なったことがないから想像の世界ですが。主が与えてくださった自分の分なんだ、と自覚しないと、ちょっとのことでもおかしくなる私には、いろいろ恐ろしいものがありますわ^^

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  2. バベルの塔建設の動機は「名を上げよう」ですから・・・

    知名度にともなう実質というのがないと人格が崩壊します。

    落ちぶれていくアイドルなんか見てると気の毒でなりませんね。

    私のたとえだと分母が大きくなっていくにしたがって、ケーキも大きくなっていくイメージなんですが、私の関係性を祝福するのは、やはりイエスだと思っています。

    私たちのもっているわずかなものを主に渡すかどうかです。要するに「2匹の魚と5つのパン」でいいのです。これで、多くの人を満たすことが出来ると信じているわけです。

    自分の分をわきまえること、能力を計算して限界を決めてしまうことは似ているようで違うと考えています。

    やはりここでも鍵は信仰ですね。

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  3. イエスの本質は∞なのに、分をわきまえてますよね。

    頂が天に届こうとする塔をご覧になるために降りて来られた方が
    背が低く見下されて来た人生を過ごしてきたであろうザアカイを見上げられたという主のバランス。

    ヨハネ3-16は、世に価値があるとみるより、イエスの分子は全ての分母より大きい、すごいですね。さすがあってあるかたです。

    ちなみに我が家では誕生ケーキは、当人が最初に食べたい分を食べる事が出来ます。生クリーム大好きな私は、ケーキを独り占めしたい。
    もっているわずかなものを渡すかどうか、

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  4. そういう家族のルール、いいですね。

    わが家もいろんな馬鹿げたルールがあります。

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