2011/04/28

家庭訪問はたいてい自転車で行く。目的地に着くこと以上に目的地に至るまでの情報が大切だ。通学路の道順やそこで触れるもの、仲良しの友達の家への距離感などを知るためには車の移動ではわからない。

各御家庭にも貴重な時間をせっかく行かせてもらうのだから、いい時間、いい機会にしたいと思っている。教師が家にやって来るなんて迷惑だと思っている保護者もいるだろうから、せめて「そうでもないよな」と感じてもらえるようにはしたい。

現在25軒終了。のべ23時間強。移動時間もあるが、規定の2倍は時間を使っているわけだ。ゆったり予定を組んで大正解だった。

昔は家庭の希望など伺いもせず、学校側が勝手に予定を組んでプリントを配布し、どうしても都合の悪い保護者は申し訳なさそうに連絡するという時代もあった。それが良いのか、悪いのか。ちなみに、私は家庭の実情に合わせて、最大限融通するのが当然だと思っている。

教師や学校の権威はどうしようもなく失墜しているが、それは期待の裏返しと捉えて、一つひとつ丁寧に実質で応えていくしかない。

初日はものすごく暑くて、2日目は風が強かった。3日目には雨が降った。3日目の後半のことだ。雨は本降りになって「これは困ったなあ」と思っていると、道を挟んで反対側の道路脇に赤い車がスッーと停車した。中から子どもが降りてきて、「これ、いる?」と傘を差し出している。去年担任したK君だ。「ありがとう。いいよ、いいよ」と私が言うと、運転席の窓からお母さんが顔を出して、「こんなのしかなくてごめんなさい。百均の傘なので、遠慮しないで使ってください」と勧めてくださった。百均という言葉で気が楽になり、ご厚意に甘えることにした。

からだは濡れたけど、心はちょっとあったかくなって、ペダルも軽やかに次の家に向かった。


http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1440962399【家庭訪問についてyohoo知恵袋】

2 件のコメント:

  1. 知恵袋読みました。
    本当に、そんなことが有るのですか・・・?
    なんだか、信じられません。

    昨日、娘の高校のPTA総会と学年懇談会に出席しました。
    900名弱の生徒数に対し、出席できた父母はわずか
    30名程度でした。高校はそんな程度なんでしょうね・・・

    今年は3年生で受験が有り、進学希望がほとんどで、公務員希望が6名、民間企業が4名だそうです。
    春は、講習などでお金がかかります。
    生徒の中で、震災後お父さんの仕事が大変になり、「先生俺んちやばいかもと・・」訴えてくる子もいるそうです。
    とりあえず、お金の事は置いといて、講習だけは受けて置くように伝えるそうです。この次期の生徒の心のケアが大変だと、言っていました。
    できれば、そんな親や子供たちが早く救われて欲しいと思いますが行動が伴わない不甲斐ない私が居ます。

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  2. kaoriさん、お久しぶりです。

    まあ、いろいろありますよ。

    私も想定外の出来事にけっこう遭遇してきましたが、いつも守られて来ました。

    下の息子が私の母校に通っているのですが、卒業までには一度は行ってやりたいなと思っています。

    子どもたちにとっては、明るい未来が想像しにくいしんどい時代ですが、親の世代として、精一杯バックアップしてやりたいと思っています。

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