2011/04/23


最近のSalt&Uribossa作品には、「喪失感」をテーマにしたものがけっこうある。

明日も演奏するSonhoもそんな1曲だ。Sonhoは「夢」という意味のポルトガル語。明るい未来のイメージももなく、Dreams come trueな歌でもない。明日に備えて練習をしているとき、ひとつの映画の場面を思い出した。黒澤明の「夢」という映画のワンシーンである。

この映画は当時かなり酷評されたが、原発騒動の後、8つのショートストーリーの中のひとつが予言的内容であったことが注目されている。

黒澤は、原発に対して明確に反対を立場を示していた。この映画が製作された1990年に刊行されたロッキング・オンの渋谷陽一のインタビューで、「(原発を)作った場合にさ、人間では制御できない性質を持ってるわけでしょ? それを作るっていうのが、そもそも僕は間違いだと思う」と明言している。


映画の中でも、登場人物(原発関係者)に、

「あの赤いのが…プルトニューム239。
あれを吸い込むと、2000万分の1グラムでも癌になる。
黄色いのはストロンチューム90、あれが身体の中に入ると、骨髄¬にたまり白血病になる。
紫色のが、セシュウム137。生殖腺に集まり、遺伝子が突然変異¬を起こす。つまりどんな子どもが生まれるかわからない。
しかし全く、人間は阿呆だ。放射能は目に見えないから危険だと言¬って、放射性物質の着色技術を開発したってどうにもならない。知¬らずに殺されるか、知って殺されるか、それだけだ。死に神に名刺貰ったってどうしようもない…」

「原発は、安全だ! 危険なのは操作のミスで、原発そのものに危険はない。絶対ミスを犯さないから問題はない、とぬかしたヤツラは、許せない!」

・・・・などと語らせている。

http://www.youtube.com/watch?v=mTg3D1PoyUE&feature=related 【黒澤明「夢」より~Mount Fuji In Red~」


http://www.youtube.com/watch?v=csxiVc99QQY&feature=related【黒澤明「夢」&桑田桂祐「ありがとう」】

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