2010/05/23

赤い紐

このところ、年金生活者を食い物にしたビジネスが次々に告発されている。病院とヤクザが結託し、弱者から搾取して腐った組織を維持する。まるで何やらとそっくりではないか。

「どこも悪くない」と言いながら、「路上生活よりマシだ」と言って入院を続け、無駄な検査や悪くもない部位の手術までしている被害者も、被害者面できるような偉そうな立場ではない。いずれも加害者みたいなものだ。弱いからエライともカワイソウとも全然思わない。ただ哀れである。

ちゃんと受容と供給が成り立っているから、告発は第三者のおせっかいとなる。こうして互いに騙し騙されつつ悲しいシステムを維持するのである。

一方で、口蹄疫にかかった家畜たちは次々に処分されていく。これらは時代の生贄だろうか。2000年前、デカポリス地方で豚が大量死した原因は、イエスが追い出された悪霊が乗り移ったからであった。

神の存在や贖いを示唆する様々な雛型は、人の欲望によって激しく歪められどん底まで貶められている。この世界の癒しがたい罪をとりなすことばが見つからない。

崩れ去るエリコの城壁を修復する努力は無駄である。神のみこころに添ったエリコの再建などは愚かな空想話である。肉の要塞はすべて破壊されなければならない。

この世界でただひとつの価値は、窓辺に結ぶ赤い紐の印だけだ。

4 件のコメント:

  1. 生活保護受給者に住居を提供している、という名目で生活保護費を巻き上げる業者もありましたね。

    彷徨坊主さんの職場も、なかなかたいへんで。一度に多発するトラブルをメールで読んでいると、ありえないような事態に対する危機管理の論文問題に近くなってるな~と思いました。

    この世ではいろいろなことが、いろいろなからくりや思惑で起きるようです。でも、それが現実や事実の全てではない。

    そういうことを、私のような者に教えてくださっている神さまの不思議に、ただ感謝します。

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  2. 口蹄疫の話を聞いて同じ箇所を思わされた、豚になんの責任があり、飼い主にとっては災難な事であったろうこの地方からでていくようにお願いした気持ちは分からないでもない。いま宮崎では補償問題の話が出ているが、ゆるされただけのイエスはそのを保証なさったのだろうか。

    書いてあることを越えそうだが、私個人に置いて考えるとどんなに酷いめにあったとしてもありて余りある恵で祝福してくださったことはまちがいない。

    本当に不思議に感謝です。

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  3. 硬派銀じ郎さんへ

    「自分の思うような条件で雇ってくれる場所がないだけで仕事がないなんて甘え以外の何物でない」というカンボジア子どもの家の栗本さんのことばに共感します。

    生活保護が本当に必要な人は実はもっと少ないというのが私の実感です。何もかも他人のせいにして、誰かに依存するような関係性を生み出す社会が腐っているのです。これは学校教育にも大きな原因があります。

    彷徨坊主さんの現場で起こっている出来事に関しては詳細がわからないので踏み込んだコメントも安易な励ましも控えていますが、ひとことだけ言えるとしたら、鍵は「巻き込まれないこと」だと思います。

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  4. 電気屋さんへ

    私は家畜の業者よりも処分される家畜に思いを寄せてしまいます。

    狂牛病問題にしても、ミートホープの事件にしても、人は生きものを食らって生かされているんだという事実を思わされます。

    旧約の生贄のイメージが十字架に結びつくことは、とても大事なことではないでしょうか。

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