寒風吹きすさぶ中、かけ足大会が開かれた。
始業式の日、全員に一言ずつ今年の抱負などを語らせたところ、ひとりの男の子が「ボクはかけ足大会で絶対一位になります」と宣言したのだ。その子は見事に宣言どおり1位になったのだが、2位と3位の子は悔しくて泣いていた。2位の子との差は1秒、さらに2秒おいて3位。4位には女子がひとり食い込んだ。男まさりのこの子は毎年4位。どうしても上位3人の男子にはかなわないのだ。それぞれの子どもに思いやドラマがある。
特に3位の子は途中までずっとトップを走っていただけに、その落ち込みは激しかった。こうした真剣な競り合いは見ていても気持ちがいい。「みんなそろってゴールイン」なんてのはダメだ。1位を目指して走らないと。はじめからオンリーワンを目指すようでは、どうでもいい様なその他大勢になりさがる。たとえ負けても、1位を目指して全力を出し切れば必ず「何か」が残る。
教室に戻って、また一巡感想を聞いた。
「一度も立ち止まらずに走れたことが嬉しい」と満面の笑みで32位の女の子が話してくれた。すばらしいコメントだ。体調の悪い数人の走りが気がかりだったが、ちゃんと完走の感想を笑顔で語っていた。
Thank you for inviting me.
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確かにみんなが頑張ってもみんなが一位になれるわけではないですね。
返信削除しかし、そこかれでしか学べない事も確かにあります。また、競い合わないとそこまでも行けない。
科学は、ある意味で人間はこんなに頑張ってもたったこれ程しか知りえない事を知るための学問ともいえます。
何かを一つ知るという事は、そのほかは全部知らないと知る事でもあります。
永遠に一位になり続ける事も人には出来ないのだから、その時一位になった人を妬むのではなく、共に喜ぶ事が出来ると、いいし、一位になれなかった人の気持ちも共有できるかもしれない機会となる。
そしてそれが出来ないなら自分がどのような者であるか見つめるきっかけにもなる。
馴れ合いでは決してうまれることの無いモノを生み出す「かけ足大会」いいですね。
それにしても写真が綺麗です。
どんな群れにとっても馴れ合いは最悪ですね。
返信削除写真は奈良盆地の真ん中にある私の学校の校庭から、西の山並みに沈む夕日です。
かけ足大会の準備を終えて撮影。ゴールのコーンが見えます。